潜在意識に蓄積されるデーターとはどのように作られていくのか

私たちは、毎日数え切れないほどの多くのことを体験しています。いろいろなことを見たり聞いたりして、その出来事を受け止め、自分なりに判断して行動していると思います。そして、その一連の記憶は、パソコンのハードディスクに保存するように、意識(主に潜在意識)に保存されていくのです。そして、それが私たちの判断や行動に影響を及ぼしていきます。

私たちは、毎日数え切れないほどの多くのことを体験しています。いろいろなことを見たり聞いたりして、その出来事を受け止め、自分なりに判断して行動していると思います。そして、その一連の記憶は、パソコンのハードディスクに保存するように、意識(主に潜在意識)に保存されていくのです。そして、それが私たちの判断や行動に影響を及ぼしていきます。

人がある行動をとる理由を知りたかったら、どうすればよいだろうか。性格やアイデンティティ、そして運命さえも形づくったであろう、その人の人生で最も重要で、大きな影響を与えた経験が、間違いなく手がかりになるはずだ。

”アンソニー・ロビンズの自分を磨く アンソニー・ロビンズ”

つまり色々なデータが、パソコンの中にあるたくさんのフォルダに振り分けられ、保存されているように、人の経験値というデータも振り分けられ、ファイルとして保存されているのです。そして、それは記憶、感情、感覚などと紐づけられています。そのため、フォルダ名は、「恐怖」であったり、「不安」であったり、「悲しみ」であったりとその時の感情ごとに振り分けられ、保存され続けていくのです。

そして、何か出来事が起きると、今感じている感情と同じフォルダから似たような過去の出来事のファイルを起動させ、それを参照データとして、行動し、適切だと思う振る舞いをするのです。

なので、恐れを感じる出来事が起きれば、恐怖のフォルダにアクセスし、そこからファイルを引っ張り出し、過去の経験に結びつけて行動するのです。そして、それを繰り返すことによって恐怖のデータは蓄積、強化され、恐怖の感情を倍増させていくのです。

ここで一つ気をつけなければいけないのは、この参照データにアクセスする時に、無意識に選び出しているということです。今の自分の精神状態に気がつかず、自動的にアクセスし、過去の経験を選び出し、その感情、感覚を強め、その中に深く沈み込んでしまうということです。そして、自分自身のハンドルを手放し、意識的に思考することなく、自分の周りにハンドルを手渡してしまうのです。

経験値とは、自分が経験したこと、見聞きし、触れ、味わい、匂いを嗅いだりしたことのデータですが、それ以外もデータとして保存されていくものがあります。それは、自分は経験していないが人から聞いた情報や、起きていないがこうなるのではと自分が想像したことなどです。そして、それがフォルダに保存されていくうちに、内容が少しづつ、歪められたり、削除されたり、普遍化・一般化されたり、似たようなことと関連付け、その範囲を少しづつ広げていったりしながら、その感情が湧き上がる出来事を増やしていき、その感情を感じ続け、自分の中にそれを強固に確立していくのです。

例えば、最初は悲しみという感情が、

「子供の頃、期日までに宿題が終わらずに親に叱られて悲しい」が

「親に何か欲しいものを買ってもらいたくてお願いしたけど、買ってもらえなくて悲しい」も同じフォルダに入れられ、

次に、「私はいつも親に私の気持ちを受け入れてもらえなくて悲しい」になり、

次第に、「私は誰にも受け入れてもらえない、受け入れてもらう価値のない人間なんだ」となり

最後には、「何をしたってうまくいくはずもない、悲しい気持ちになるだけだ」

と普遍化してしまうのです。

私たちは、こうして感情に紐づけて、それを定着させるのがとても上手なのです。ただ、ネガティブな体験に関してはという条件では。これをポジティブな感情で同じようにする習慣は多くの人が持っていないのですね。同じように楽しい感情や幸せな感情を強化する癖はなく、そう行ったことが起きてもネガティブな感情、不安・恐怖に結びつけてしまうのです。せっかく上手く行っているのに、上手くいかないフォルダにそれを入れてしまう。そういう不思議な癖が私たちにはあるのです。

「今回はうまく行ったけど、次もこんなに上手くいくとは限らない」とか「こんなに楽しことはそう長く続かない」とか。

この負の連鎖、ループから抜け出し、ルートを変えるには、どうすればよいのか。

私たちのこの習慣、癖、さらには信念というものは、この経験値そのものに影響を受けているのではなく、それを私たちがどのように解釈しているかに影響を受けているのです。そしてその解釈によって、良い、悪いなどの判断が生まれ、感情が湧き出てくるのです。

悲しみの感情が生まれた時、恐怖の感情が生まれた時、「どうして私にその感情が生まれたのだろう」と考えてみることです。「何に対して悲しんでいるのだろう」「どんなことに恐怖を抱いているのだろう」とそれについて、しっかりと自分の内面を見つめることです。

きっと、それは過去の経験から同じ出来事に紐づけて悲しみや恐怖を感じたり、これから起きることが過去と同じようになると考え、悲しみや恐怖を湧き上がらせているのです。

今、起きていることと過去は関係ないし、これから起きることと過去も全く関係ないのです。過去の出来事を参考に全ての物事を判断しないでください。今起きていること、これから起きることへの自分自身の感情と思考、行動のハンドルをしっかりと自分の手に持ちましょう。そして意図的に考えるのです。自分はどうしたいのか、どうなりたいのか、何を達成したいのか、何に価値を置いているのか、何を大切にしているのか。それを明確にするのがとても大切なのです。いつも目標を持ちましょう。そして自分にとって何が大切なのか、自分が何を大切にしているのかに気付きましょう。

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